こんにちは、格ゲーブロガーの拓です。
今回は、格闘ゲームで度々話題に上がる「フレーム」についてのお話をしていきたいと思います。
格ゲープレイヤーの配信などを見ていると、こんな会話を聞くことはよくあると思います
- 「この技の発生は〇フレーム(F)で~」
- 「あの技の硬直差は〇フレーム(F)で~」
- 「あの技、全体動作〇フレーム(F)なんだ!」
- 「なんでこの技がガードで有利フレーム(F)なの!?」
などといった感じです。
よく知らない人たちからすると、意味不明ですよね。
という訳でこの記事では、
- フレームってそもそも何?
- フレームってなんのために覚えるの?
- フレームを覚えられない人は格ゲーやっちゃダメ?
などといった疑問に答えるものとなっております。
格ゲーを始めたばかりの人でも分かりやすいような、噛み砕いた解説を心掛けていくので
是非最後までお読みいただきたいです。
それでは、どうぞ~
フレームとはそもそも何なのか
フレームとは、描画される絵(コマ)の一つ一つの事を指します。
実はゲーム画面に映るキャラクターは現実のように滑らかに動いておらず、
沢山の「静止画(コマ)」を流れるように表示することで動いているように見せています。
その「静止画(コマ)」こそがフレーム、ということになります。
フレームは何に使うのか
大抵の格闘ゲームでは、1秒間を60フレームで構成するようできています。
厳密にはモニターや使用デバイスの環境によって異なってくる場合もありますが、ここでは割愛します
普通のモニターを使っていて、かつ変に設定をいじらない限りは大抵1秒=60Fです
これにより、1フレーム=60分の1秒(約0.016秒)という
実質的な時間の単位としても用いることができるのです。
これを利用して
技の速さ/遅さを具体的な数値に落とし込み、
試合中の時間の流れや技を用いた駆け引きを厳密に理解する事が可能となります。
特に、各キャラクターの技における
- ボタンを入力してから技が出るまでの速さ=発生
- 技が出てから攻撃し続ける長さ=持続
- 技が出た後の隙(フォロースルー)の大きさ=硬直
- 上3つを統合した、技の全体的なモーションの大きさ=全体動作
- 技をガードさせてから、どちらがどれくらい先に動けるようになるか=硬直差
これらを計る上で、フレームという単位は非常に適しています。
このすべてを解説すると長くなりすぎてしまうので、
フレームを用いた情報の中でも筆者が特に重要だと思うものを以下に記していきます。
発生フレーム
実は格ゲーの技のほとんどは、ボタンを押した瞬間から攻撃できている訳ではありません。
多くの技には予備動作(”前隙”とか呼ばれることも)があり、この予備動作を終わったところでようやく技が出て相手に攻撃が当たります。
このボタンを押してから技が実際に相手に攻撃するまでに何枚の絵(フレーム)を使っているかを「発生」と呼びます。
フレームに興味を持った人は、まず自分の使うキャラクターの技の中で
- 一番発生の早い技(最速技)
- コンボの始動になる技
の発生について覚えることをオススメします。
発生に限らず、全てのフレームを記憶する必要はぶっちゃけないです。
大事なとこだけ抑えていきましょう。
硬直差
お互いが硬直するような動きをし合った後、
どちらが先に/後に動けるようになるかのタイミングの差を
フレームを用いて具体的な数値に落とし込んだものを硬直差と呼びます。
硬直差と一口に言っても色々あるのですが、
ここでは敢えて「ガード硬直差」と「ヒット硬直差」の二つに絞って解説します。
ガード硬直差
例えば相手に技を振ってガードさせたとします。
技を振った側は技のモーションが終わるまで硬直しますが、
技をガードした側もガードモーションが終わるまで硬直するということになり、
お互いにその硬直が明けた瞬間からまた自由に動けるようになります。
そして、技の種類によってその自由に動けるタイミングが
どちらが先に動けるか/後から動き出せるようになるかも含めて異なってきます。
これを「ガード硬直差」と呼びます。
ヒット硬直差
同様に、技をヒット(命中)させた後は振った技のモーションが終わるまで硬直し、
技を受けた側はやられモーションが終わるまで硬直することとなります。
こちらは「ヒット硬直差」です。
有利フレーム/不利フレーム
上で挙げた硬直差が生まれた際の、
- 先に動けるようになる側のことを、有利フレーム
- 後から動けるようになる側のことを、不利フレーム
と呼び、具体的にどれくらい有利か/不利かを
有利の場合はプラス(+)〇フレーム、不利の場合はマイナス(-)〇フレームと呼称します。
例えば、JPの立ち強Kはガード硬直差が2フレーム有利(+2F)。
相手の視点に立つと、JPの立ち強Kをガードすると2フレーム不利(-2F)です。
ここから立ち強KをガードさせたJP側がしゃがみ弱P(発生4F)を出すと、
相手が同じく発生4Fの技をどれだけ早く出しても一方的に潰せます。
ガード硬直差が生まれた状態では、お互いに同じキャラで同じ技を出してもこうなるため、不利側はいつもよりガード重視で慎重に技を振らなければならなくなります。
逆に有利側は相手がいつもより慎重になる事に付け込み、いつもより強気に技を振っていくことができる訳ですね。
ちなみに、お互いが全く同じタイミングに動き出せるようになる場合の事は「五分」と呼びます。
確定/コンボ
「確定」とは、硬直中(何らかのモーションがまだ終わっていない状態)の相手に対して攻撃を命中させることを呼びます。
この硬直中はガードをすることができません。よって、この硬直中に技を当てるとガードされることがなく、確実にヒットする(確定する)ということになります。
特にメジャーなものが、「確定反撃」。
ガード硬直差不利が大きい技をガードした際に、その硬直が解けない内に攻撃を決めに行くことをこう呼びます。
例えば、スト6におけるJPのシャーロスチ(↘+強P)はガードされた時の硬直差が‐14となっていて、
この技をガードさせた後は発生14F以内の技が確実にヒットするという事になります。
また、相手のやられモーションが解ける前に次の技を続けて技を当てる事でも、攻撃が確実に当たるようになっています。
これがいわゆる「コンボ」です。
そして、ことストリートファイターにおいては
ヒット硬直差で大きな有利Fを取れる技を決めた際に、その有利Fの範囲で収まる速さの発生の技を続けて出す
ことで、コンボを成立させる機会がしばしばあります。
例えば、
- JPの立ち強Kはヒット時の硬直差が+7F。この技がヒット後は発生7Fのしゃがみ中Pがコンボになる
- ルークのしゃがみ中Pはヒット時の硬直差が+5F。この技がヒット後は発生5Fの立ち弱Kがコンボになる
といった感じです。
ここまで読んで、良く分からなかったという方は
- 相手の技のガード硬直差>自分の技の発生=ガードして確定反撃が取れる!
- 自分の技のヒット硬直差>自分の技の発生=続けて出せばコンボになる!
という事だけ理解してもらえれば、大体オッケーです。
フレームは覚えた方がいい?
ここまで、フレームが
- 実質的な時間の単位として機能している点
- 技の性能や、細かい状況を具体的な数値で把握できる点
を解説してきました。
これらのことから、フレームは仕組みだけでも理解しておくと座学が非常に捗ります。
具体的には、各キャラクターのフレームをまとめた表を見るだけでも
- 「この技はこれだけ隙がある」
- 「あの技は全然隙がないorなんならガードしたら不利になる」
- 「この技を食らうと、あの技がコンボになる」
という攻略・対策を考える上で有用な情報を得られるようになります。
このような情報は、突き詰めだすと本当に際限なく集めていくことになるので
その情報収集の効率を上げられることから、フレームは間違いなく有用です。
ただ、これを聞いた方の中には、
- 格ゲーってこんなにも沢山の数字を覚えないといけないの…?
- これを覚えられない人は格ゲー勝てないの…?
- これくらいできないなら格ゲーやったらダメってこと…?
と思った人がいるかもしれません。
安心してください。
格闘ゲームは普通に楽しむ分にはフレームを覚えなくても全然大丈夫です。
というか、よっぽど上を目指して頑張る気があるとかじゃない限り、
無理して覚えようとしない方がいいというのが筆者の考えです。
何故なら、フレームの知識を正しく活用するにも専用のノウハウが必要なので
それを得ようとするとゲームで遊べない時間が長くなりすぎるからです。
ゲームの情報をフレームで理解しようとするよりも、
とにかくゲームに触れて、キャラクターを動かして、対戦してみて、
直感的に動かし方を理解することに努めた方が話が早いです。
なんなら、そっちの方がゲームの本来の遊び方ですしね。
格ゲーにおいて、フレームは便利だけど必修事項ではありません。
おわりに
いかがだったでしょうか。
格闘ゲームにおけるフレームについて、できる限り分かりやすく解説してみました。
最後に、上の項目で「フレームは必修事項ではない」と解説しましたが
だからと言って、「フレームを覚える事が悪」とまで言う気はありません。
フレームを始めとするゲームの仕組みを理解した者同士の対戦ならではの、
理詰めの攻略のぶつけ合いだとか、根詰めたゲームメイクだとか、複雑な駆け引きの応酬だとかは、
とんでもなく非日常で、思わず時間を忘れるほど濃厚な体験であることは事実です。
筆者も、そんな体験をさせてくれるからこそ格ゲーにのめり込んだ一人です。
そんな対戦の気持ちよさを自分も味わってみたいし、
味わうために頑張ってみたいと思える方がいたとしたら、
それは大変に素晴らしいし、喜ばしい事だと思います。
ただ、そうであれば、
なおさら対戦の場数を踏むことが欠かせない、とも考えています。
そのうち必要なことだからと理解しようとするのは良い事だけど、
だからといってフレームのことばかり覚えようと躍起になって、
肝心のゲームで遊ぶ時間が減ってしまってたら本末転倒です。
フレームもいいけど、まずは「格ゲーを」遊びましょう!!
という訳で今回はここまで。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!