こんにちは、格ゲーブロガーの拓です。
今回の記事のテーマは、
格闘ゲーム用語の一つである「逆択」です。
相手に硬直差有利を取られた時やダウンした時など、自分が不利な状況に陥った状態で
有利な相手側を揺さぶりにかかるような守り方・凌ぎ方をすること。
「無敵技を打つ or 打たない」が代表例。
スト6は一定以上のレベルにもなると、
ひとたび有利状況に持ち込んだ側が一方的に攻め続けられる事も多いです。
場合によっては、たった一度のチャンスを起点に
相手の体力を文字通り「10割」奪ってしまう展開も珍しくはありません。


▲そのゲーム性を象徴するのが、画面端で前投げ重ねをループさせる起き攻め(いわゆる「柔道」)の存在です。端で投げ重ねを何度も食らい続け、投げ抜けした時だけ相手に投げ抜け潰しを決められてイラっとした経験はスト6勢なら誰しもあるでしょう。
不利な状況に陥ったからといって、ただ耐えてばかりだと相手を勢いづけてしまいます。
そのまま何もできず、押し切られてしまう可能性が高まるのです。
「逆択」で攻める側にもプレッシャーをかけることは、
かえって試合内容を安定させることに繋がってきます!
是非、「逆択」を覚えて攻め込んできた相手に一矢報いていきましょう!
それでは、どうぞ。
大前提:逆択自体はどこまでいっても非効率!逆択を仕掛けるのは、相手に強気に攻めさせないのが目的!

大前提として、「逆択」は不利状況を有利状況に変えてくれる魔法のテクではありません。
ことスト6では、劣勢を覆せるような性質の技やテクニックは
リスク/リターンの効率が悪くなるよう丁寧に調整されています。
「逆択」をどれだけ使いこなそうとも、起き攻めを始めとする硬直差有利を活かした攻めは
「有利状況を作った側が有利」という事実は覆りません。
それでも逆択という”手段”を行使していく目的は、
「簡単には崩せない」もしくは「(攻める事にも)リスクがある」と意識づけ、
相手に好き放題させない(攻め手を緩めさせて、凌ぎやすくする)事です。
目的と手段を履き違えてはいけない、という話です。
あくまで逆択をする側は不利な立場であると、念頭に置いておきましょう。
防御の択を散らせ!相手に「一択」で勝ち切られる事態は避けろ!

スト6における防御の択は明確な弱点(崩し方)があるものがほとんどです。
相手の攻めを100%防ぐ事ができる防御テクニックは存在しません。
そのため、防御をする際に最も重要なのは
守り方を相手に「読ませない」事です。
可能な限り複数の防御の択を散らし、
相手に「1択」で勝ち切られる事態は回避していきましょう!



▲逆択をかける場面に限りませんが、対人戦においては「コイツ〇〇だけしてれば勝てるじゃん」「〇〇安定だな」と相手に思われる事はなんとしても避けていきましょう。いざと言う時に絶対的に頼れる選択肢を相手に持たせてしまうと、心理的な余裕を与えてしまい相手を勢いづけてしまいます。
- しゃがみガード:打撃択を凌げる。相手が何もしてこなかったら咄嗟に中攻撃やバックジャンプを出してみるのがオススメ
- 投げ暴れ:投げ択に対しては投げ抜け、相手の甘い重ねや様子見を投げ返せる
- 無敵技暴れ:打撃や投げを重ねてくる相手に反撃できる
初めは、これらをバランスよく分散させる事から始めてみましょう!
読み切った時に最大を取れる択を選ぶ(一点読み)

相手の攻め方を完全に読み切った時は、
持ち得る手札の中で最大リターンを取れる反撃手段を狙いましょう。
俗に「一点読み」とも呼ばれるテクニックです。
- 投げ重ね>バックステップ、リバサSA3、一部キャラの低空必殺技など
- 打撃重ね>ジャストパリィ、無敵技(OD昇龍など)
- シミー>下段暴れ、前歩き投げなど
「そんな事できるの?」「”読む”とか、超能力者にしかできないでしょ」
と、思うかもしれません。
勿論、誰を相手取っても全ての択を先読みする事は
どんなに強いプレイヤーであろうと不可能です。
読みがまるで噛み合わず、相手に成すすべなく蹂躙される事もあるでしょう。
しかし、攻め方にも強い択・効率が良い択というものがあり、
攻めの強い「型」は一定以上勝っているプレイヤーにほど常用されるものです。
それまでの試合の流れ、体力やゲージ状況、相手のプレイヤーのクセなどといった
様々な根拠を基に洗い出すことで、ある程度的を絞っていく事は可能です。

逆択の種類を解説!

ここまでは、「逆択」をする目的とやり方について解説しました。
ここからは、より具体的な「逆択」の種類を紹介していきます!
まずは基本のしゃがみガード/立ちガード(様子見)!

ガードは基本にして最強の防御システムであり、立派な「逆択」の1種です。
とりわけ、ガードの優れている点は幅広い択への対応力・応用力の高さにあります。
ガードしている間は基本的に投げ(場合によっては中下段択)以外を受ける事はありませんし、
相手が変則的な攻め方をしてきた場合でも咄嗟に対応を切り替える事が容易です。
まずはガードをがっちりと固め、
相手に「ガードを崩す選択肢」を強要する所から始めましょう!

ガード”だけ”では勿体ない!ガードに付加価値を持たせよう!

「ガード”だけ”」で耐えていては、相手の攻めがいつまでも終わりません。
スト6においては、ガードでドライブゲージを削られてしまう事にも相応のリスクがあります。
しかし、「ガードと何かを組み合わせる事」により
崩しにくい防御を相手に押し付ける事ができます。
例えば、
- ガードしながら、やや遅らせたタイミングで小技や投げを入力する:ファジーコパン、遅らせグラップ
- 隙の大きな技をガードできたら、技の硬直にパニッシュカウンターを取る:確定反撃
- 相手の技を一回ガードした直後に打撃を繰り出して反撃を試みたり、バックステップなどで距離を取ったりする:打ち返し
などは、ガードを利用した反撃方法の代表格です。
ガードかそれ以外か、だけでは勿体ない!
ガード⁺αも択の一つとして散らしていきましょう!
ジャストパリィを狙いまくれ!

「スト6は逆択が強いゲーム」とよく言われますが、
それを象徴するのがジャストパリィです。
他の格闘ゲームでは安全な攻めの起点となりやすい打撃埋め(重ね)ですら、
ジャストパリィが決まれば反撃が可能です。
ジャストパリィもまた、ガードしながら狙う事ができ、
相手に読まれていたとしてもそこまでのリスクがない(投げをパニカンで受けるくらい)点でも
非常に優秀です。
打撃重ねをしてくる相手には、起き上がりジャスパを積極的に狙いましょう!
とはいえ、成功させる猶予は2Fしかないので反復練習は必要です。
無敵技で切り返す!

主に動作1F目から発生するまでに、完全無敵(相手の攻撃を一切受けない)時間が付与されている技のことを指します。
スト6には、多くのスーパーアーツ(SA)に動作1F目から完全無敵がついています。
また、一部のキャラクターに限られますが
動作1F目から完全無敵がついているオーバードライブ必殺技(OD必殺技)もあります。
相手が有利状況から攻めてきた場合であろうと、無敵技であれば迎撃可能です。
相手を勢いづかせないためにも、無敵技を繰り出していきましょう。
ただし、スト6の無敵技は原則ガードされると大きな隙を晒してしまうため、
パニッシュカウンター始動の大ダメージコンボを受けてしまいます。
また、現状のスト6における全ての無敵技が何らかのリソース(ドライブゲージかSAゲージ)を消費するため、
リソースを捨ててしまうという観点においても、凌がれた時のリスクが甚大です。

ドライブリバーサルを使ってみよう!
ガード硬直中に→⁺強P⁺強Kを入力することで、
ガード硬直をキャンセルしてドライブリバーサルを繰り出せます。
また、起き上がり際に→⁺強P⁺強Kを入力しておくことで
起き上がり様にドライブリバーサルを発動する事も可能です。
このドライブリバーサルも動作1F目から無敵があり、相手の攻めを拒否する手段として使えます。
発生が遅いため相手にガードされてしまう可能性はありますが、
ガードされても硬直差‐6で済むため、(無敵技をガードされた時ほど)致命的な反撃は受けにくいです。
難しいですが、できればDリバが有効な場面かそうでないかを
判断しながら使えるとベスト!
投げ暴れ/遅らせ投げ抜けで、投げを拒否!あわよくば投げ返せ!

両者の投げがぶつかった時や、投げられた瞬間に投げを入力し返すことで
「投げ抜け」が発動し、仕切り直しに持ち込めます。
また、ガードしながら投げ抜け猶予ギリギリまで引き付けて投げを入力することで、
相手の打撃にはガードしつつ、投げには投げ抜けが出るよう仕向ける事が可能です(遅らせ投げ抜け、遅らせグラップ等と呼ばれるテクニックです)

弱点としては、いわゆる投げ漏れ(投げシケ)狩りを狙われるリスクがつき纏う事です。
投げの発生は5F、投げ抜けの入力猶予は10Fのため、
投げ自体を見てから投げ抜けする事はまずできません。
更にスト6の入力の仕様上、投げ抜けに別の技や行動を仕込む事はできないよう作られているため、
投げ抜けしようと思ったら「読み」で入力するしかありません。

これに伴い、相手に投げにいく「フリ」をされることで
投げを空振りしてしまい、その隙に攻撃を差し込まれてしまいます。
読み切られると痛い反撃を受けてしまう&直接的なリターンを得にくいのが投げ抜けの弱点です。
単純なリスクリターンでは効率が悪いため、「打撃・投げの2択のどちらも凌げる」という点に
どこまでメリットを見出せるかが投げ抜けを使う基準となります。
「暴れ」を通せ!ちょっと遅らせた(ファジー)暴れも強い!

不利な状況だろうと、お構いなしに攻撃しにかかることを「暴れ」と言います。
相手が隙間の大きな攻め方をしてきた時(遅らせグラップなどを潰すために、敢えて遅らせたタイミングで打撃を打ってきた場合など)に
最速で暴れる事で発生勝ちを狙えます。
ガードを入力しつつ、打撃を打つタイミングに変化をつけるのも強力です。
ただし、相手が有利状況を活かして隙間のない連係を組んできた場合は
一方的に潰されてコンボの起点とされてしまいます。
また、起き上がり際などにしっかりと重なっている(埋まっている)投げに対しては
最速打撃でも割り込む事はできません。
操作自体はシンプルですが、相手のミス依存になりがちな所が多い択です。
暴れを通すためと言うよりも、相手に暴れ潰しを意識させるために
見せるものと言えるでしょう。
下段暴れで、後ろ歩きを狩れ!

相手がいわゆる「シミー(投げ抜け狩り)」を狙う際、
基本的にこちらの目の前で後ろ歩き(立ちガード)を仕掛けてきます。
この際の立ちガードを狙って、下段攻撃で暴れてみましょう。
相手に普通に打撃を重ねられると、カウンターを貰ってしまうのがネックです。
相手のシミーの精度によっては下段をガードされてしまう事もありますが、
相手からすると下段暴れもケアしながらシミーを仕掛けるのは相応に難しいです。

実戦ではなんやかんやで通るので、択の一つとしてアリです。
バックステップで投げをスカしつつ距離を取れ!

バックステップは打撃に対しては無防備ですが、投げに対しては無敵になります。
素早く下がれる点を活かし、相手の技を咄嗟に避ける時も有用です。
バックステップの絵の地味さ故に、相手に様子見(シミー)をされていた場合でも
見てから狩られる機会は少ないでしょう。バクステを見てから打撃で狩ってきたら、相手が上手いだけなので褒めましょう。
注意点として、バックステップはキャラ別で全体動作と後退距離が異なります。
投げへの対策に使う場合、全体動作が重いキャラクターは反撃が難しいorできない場面が多くなるので
該当するキャラクターを使っている人は注意しましょう。
- 遅い組(全体25F):ザンギエフ、マリーザ、マノン、春麗、ラシード
- 若干遅い組(全体24F):リリー
- 速い組(全体23F):それ以外
昇り空中必殺技で、相手の投げ埋めにリスクを与えろ!

一部のキャラクターには、ジャンプの昇り際にジャンプ攻撃や空中必殺技を出す事で
相手の投げ重ねに対して反撃が狙えます。
バックステップでスカすよりも確実に反撃できるので、
投げを読めた時は狙っていきましょう。
- ジェイミーの無影蹴
- ジュリのJ中P>疾空閃
- 春麗の空中百裂脚
- キャミィのキャノンストライク
- ブランカのエリアルローリング
- ダルシムのドリルキック
- ラシードのアラビアン・スカイハイ
弱点としては、まずジャンプを経由するために打撃重ねで潰されてしまいます。
場合によっては、飛び上がったのを見てから対空される事があるかもしれません。
また、この手の技のほとんどに
- 至近距離からガードされると反撃を受けてしまう
- しゃがみに当たらない
のいずれかの性質を与えられており、様子見された時も反撃を受けやすいです。
「投げ重ね」「投げ埋め」はスト6においては鉄板の攻めパターンなので、
それに直接的なリスクを与えられるという一点でも強いです。
通るかどうかはさておき、一度見せるだけでも相手からすると崩しづらいハズ!
後方ジャンプで逃げろ!

バックステップと役割が似ていますが、操作手順的に簡単なのが魅力です。
投げを避けたい、様子見している隙に間合いを離したい、といった目的の元に
後方ジャンプを使うのも一つの手でしょう。
ただし、相手の使用キャラと意識の高さ次第で
見てから狩られる可能性も一応あります。
垂直ジャンプor前ジャンプで、逆に攻めろ!コマ投げに最大反撃を決めろ!

時には不利な状況からでも敢えて飛び込み、相手の虚を突いていきましょう。
特に画面端が近い状況では、前ジャンプで裏回りできるとかなりオイシイです。
特に有効な場面としては、相手にコマンド投げを仕掛けられそうな時です。
コマンド投げを持っているキャラクター相手には、
逆択に垂直or前ジャンプを見せていきましょう。

▲コマンド投げは大抵、空ぶった時の隙が非常に大きいためジャンプで避ければ最大反撃を叩きこめます。
まとめ
- 「逆択」とは、不利な状況から相手に択を迫る事!
- 当たり前に、有利な状況から攻めている側が有利!逆択はリスクリターン効率は明確に悪い!
- 「逆択」は相手に強気な攻め手を緩めさせる手段でしかない!逆択を仕掛けるのが目的になってはダメだよ!
- 基本はガードだ!
- ガード”だけ”では相手の攻めが終わらない!見てから反撃、ファジー、打ち返しなどのテクニックを駆使してガードに付加価値を持たせよう!
- ジャストパリィを狙え!スト6はそういうゲームだ!
- 無敵技で切り返せ!
- 要所ではドライブリバーサルも便利!
- 打撃や投げを押せ!押すタイミングにも変化をつけろ!
- バックステップや低空必殺技で、相手の投げにリスクを与えろ!
- ジャンプで逃げるのも悪くない!
おわりに

相手に一方的に攻め続けられている時って
やられる側からすると正直面白いとは思えないし、何ならムカつきますよね。
「好き放題攻めて気持ちよくなってる相手を”分からせ”たい」と、
半ばムキになって逆択を含む防御テクニックを極めようとしている人もいるかもしれません。
ただし、繰り返しますが
逆択はどこまでいっても非効率な読み合いの域を出ません。
非効率な読み合いに拘っていたら、
そのぶん効率の良い勝ち方からは遠ざかってしまいます。
繰り返しますが、「逆択」を身に着けるのは「逆択」ができれば勝てるようになるからではなく
あくまで自分が不利な状況から、自分が有利な状況に向かうチャンスを増やすためです。
立ち回り・戦略とは自分が有利な状況に向かうために取るものという事は
忘れないようにしましょう。


▲逆択を押し付ける事を目的にしてしまうと、色々と歪なプレイスタイルが完成してしまいがちです(自戒)。
そんな訳で、今回はここまで。
これからも、「逆択」に使える有効なテクニックや考え方を思いついたら
更新していきます!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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