こんにちは、格ゲーブロガーの拓です。
今回の記事で取り扱うテーマは、「シミー」です。
「シミー」と言えば、スト6における「必須テク」として紹介される機会も多い
非常に重要なテクニックです。
しかし、重要なテクニックだというのに有効に使えている人は多くはありません。
何故かというと、実はシミーはかなり難易度が高く奥深いテクニックだからです。
なので、少しでも多くの方に
正しいシミー像をお伝えすべく、この記事を執筆致しました。
「シミー」は難易度こそ高いけれど、
習得できれば間違いなく勝率アップに繋がるテクニックです。
勝ちたい方には是非シミーを覚えてもらいたい!
良ければ、最後までお読みいただければ幸いです。
それではどうぞ!
シミーとは、後ろ歩きで相手の投げ抜けをスカす事
簡潔に説明すると、「シミー」とは
相手の投げ抜けを誘って空振りさせるテクニックのことです。
ここからは少し長くなりますが、
順を追って具体的なやり方を解説していきます。
まず、スト6ではガードを崩す手段として「投げ」が存在します。
この投げを仕掛けられた側は、一定の猶予の間に投げを入力し返すことで
「投げ抜け」を発生させて仕切り直しに持ち込むことができます。
この投げ抜けの猶予は10フレームと非常に短いため、
投げられたのを見てから投げ抜けをする事は不可能です。
そのため、投げ抜けをするには
「投げられそう」と思った瞬間に投げを入力する必要があります。
ただし、この投げ抜けを入力すると必ず投げが出るようになっています。
「投げ抜けしながら弱攻撃を出す」「投げ抜けしながらジャンプをする」といった
ズルいテクニック(いわゆる投げ抜け仕込み)もスト6では使えません。
そこで、投げ間合いまで踏み込むだけで「投げられそう」と相手に思わせて
相手に投げを出させるよう仕向けられます。
その相手に出させた投げを、
後ろ歩きで投げ間合い外まで離れることで回避します。
こうすることで、目の前で相手に投げを空振りさせることができるのです。
終わりに、投げを空振りした相手はスキだらけになるので
そのスキに向かって打撃攻撃を差し込む事ができます。
ここまでの話をまとめると、
- 投げが届く間合いに踏み込む
- 「投げられる!」というプレッシャーで相手に投げ抜けを入力させる
- その入力させた投げを、後ろ歩きで空振りさせる
- 投げを空振りしたモーションに打撃技を差し込む
この手順を踏んで相手の投げ抜けを誘って突くという、
一連の流れを「シミー」と呼ぶ訳です!
シミーは、効率で見ればめちゃくちゃ強い!最強!
シミーは、単純な効率・期待値で言えばめちゃくちゃ強い選択肢です。
まず、投げの空振りモーションを誘う事ができれば
そこに中攻撃や強攻撃をパニッシュカウンターさせる事が可能です。
更に、投げ抜けにリスクを負わせられる以外にもシミーには優秀な点があります。
それは相手の投げを空振りさせるために後ろ歩き(立ちガード)を取る関係で
相手の無敵技暴れをついでにガードする事が可能な点です。
また、相手側はこちらがシミーをする事が分かりきっていたとしても
逆にシミーに対してリスクづけする事は至難の業です。
相手の下段ケアが甘ければ起き上がり際に最速で中足を打てば通る事もあるでしょう。
なんなら、起き上がっておもむろに前歩き投げとかもアリかもしれません。
なんにせよ、防御をかなぐり捨てたムチャな動きをしなければ
シミーに直接的なリスクを与える事はできないのです。
まさしく、ローリスク・ハイリターンなのがシミーです。
こんな強いテクニック、勝ちたければやるしかないですよね!
シミーは難しい!やり方を正しく理解しよう!
ここまではシミーの意味と強さについて解説してきました。
ただし、シミーは誰でも簡単にできるテクニックではありません。
シミーの強さを最大限発揮するには
やり方を正しく理解し、かつ高い精度で行う必要があります。
ここからは、シミーの「リアル」をお伝えするために
少々辛口な言葉も混ぜながら解説していきます。
シミーは相手に「投げ」を意識させてから仕掛けるのが大前提
シミーを仕掛けるには、まず相手に投げを意識させることが不可欠。
相手に「投げ抜けを入力しなきゃ」と思わせるだけの動機付けが欠かせません。
その動機付けのために欠かせないのが、投げ間合いの内側にまで踏み込むことです。
これがどういう事なのか、分かりやすいように少し極端な例をお見せします。
例えばこの動画のシミーは悪い例です。
では、良い例がこちら。
ここでは「投げ間合いに入らずに、相手に投げを意識させる事は不可能」
という事を覚えておいてください。
「その距離で投げボタン押す事ある?」となる距離から
シミーを狙っても意味がありません。
後ろ歩きしても相手の投げが届く状況では、シミーできない!
「シミー」は、後ろ歩きで相手の投げを空振りさせることで成立するテクニックです。
逆に言えば、間合いを近づけすぎたり相手の動き出しが早かったりして
後ろ歩きで投げを空振りさせられない状況では、そもそもシミーはできないという事。
この状況でシミーを狙おうとすると、相手の投げ暴れが届いてしまいます。
画面端で後ろ投げを食らおうものなら、致命的です。
踏み込みすぎも禁物という訳ですね。
では、どういう時にシミーを狙えばいいのか?と言われますと
これについては残念ながら使用キャラや状況によるとしか言いようがありません。
ただ、どのキャラクターもシミーを仕掛けられるくらい
大幅な状況有利を得られる攻めの起点は大体決まっています。
シミーが狙える状況とそうでない状況を、事前に整理しておきましょう!
大幅に有利な状況でのみシミーを狙う、というのも
シミーを通すコツの一つとなります。
投げの空振りを「見てから」で狩りたい!雰囲気で狩るのは危険!
投げの空振りモーション(「投げシケ」とも)を狩るには、
できれば投げシケを視認してから狩りに行きたいところです。
何故かというと、相手の投げシケを確認せずそれっぽく技を振る場合、
相手に反撃の余地を与えてしまうからです。
特に発生の遅い強攻撃で相手の投げ抜けを見てから捉えるのはかなり難しいので、
投げシケ確認をミスしてしまいやすいです。
最初は無理に強攻撃を使おうとせず、
投げの空振りを確認した際の反撃に弱攻撃や中攻撃を使うのもコツと言えるでしょう。
投げの空振りモーションを確認してから、投げシケを確実に捉えましょう!
決して簡単ではないですが、ここは気合いです。
できれば投げシケ・無敵技以外も対応したい!
シミーは基本動作として後ろ歩き(立ちガード)を行います。
この後ろ歩きには基本的にスキがなく、様々な行動へシームレスに移る事が可能です。
これを活かし、相手が投げ抜け以外の行動を取っていた場合のケアもしたい所です。
上の項目でも挙げた「投げ抜けを見てから狩る」事をこなしつつも、
- (端付近での)前ジャンプでの位置入れ替え:対空する
- しゃがみ中K暴れにしゃがみガード:相手のしゃがみ中Kが発生するフレームでしゃがみガードを入力(ファジーガード)
- ジャストパリィ:パリィモーションを見てから歩き投げ
可能であれば、これらも並行して狙っていきましょう!
これだけ聞くと「そんなん無理でしょ…」と思うかもしれません。
ですが、面白いもので慣れれば意外とできるようになってきます。
最初から完璧にやろうとは思わず、少しずつモノにしていきましょう!
トレーニングモードの機能を使ってシミーを練習してみよう!
仕組みを理解したところで、いよいよシミーを習得するための練習に移っていきます。
これについては、トレーニングモードの「反撃設定」の機能を使うのがオススメです。
「ダウンリバーサル」「ガードリバーサル」の項目に投げ抜けを始めとする
様々な行動を記録させ、シミーを練習をしてみましょう。
基礎編
- 対戦相手を画面端に追い詰めた状態でダウンさせる(ダウンする直前くらいのタイミングで「状態を保存」機能を使う
- 「反撃設定」の項目で、ダウンリバーサルに以下の内容を設定
- 投げ(ディレイ0~10Fの任意):最速投げ暴れから、限界まで遅らせた投げ抜けまで
- 何もしない
- これらのダウンリバーサル行動に対し、以下の選択肢を仕掛ける
- 投げ埋め(できればフレームメーターを確認。黒色のフレームが2つ以下なら投げ埋め成功)
- 投げ間合いに入る→投げ間合いギリギリ外に外れてしゃがみガード
- 投げ暴れor投げ抜けには見てから中攻撃や強攻撃でパニカンを取る
- 何もしないに対しては、こちらも何もしない(相手の投げがギリギリ届かない間合いを意識。何もしない相手に打撃を打ってしまうのはアウト)
応用編
ここからは少しハードなメニューを紹介します。
上のメニューで慣れてきたら、こちらもやってみましょう。
- 対戦相手を画面端に追い詰めた状態でダウンさせる(ダウンする直前くらいのタイミングで「状態を保存」機能を使う
- 「反撃設定」の項目で、ダウンリバーサルに以下の内容を設定
- 投げ(ディレイ0~10Fの任意):最速投げ暴れから、限界まで遅らせた投げ抜けまで
- しゃがみ中K(ディレイ0F)
- 前ジャンプ(ディレイ0F)
- ドライブパリィ(ディレイ1F):ディレイをかけないと「REVERSAL」のテキストメッセージが出るのを見てパリィ確認できてしまうからNG
- これらのダウンリバーサル行動に対し、以下の選択肢を仕掛ける
- 投げ重ね
- 投げ間合いに入る→投げ間合いギリギリ外に外れてしゃがみガード
- 投げ暴れor投げ抜けには見てから中攻撃や強攻撃でパニカンを取る(シミー)
- しゃがみ中Kにはしゃがみガード
- 前ジャンプは見てから対空(できれば空対空などを決め、位置入れ替えを許さない)
- ドライブパリィは見てから歩き投げでパニカンを取る
最初は全然できなくて挫けそうになるかと思いますが、
(現段階での)自分の限界を知るのはとても良い事です。
トレモで「狙ってもできない事はある」と知っておくことで、
対戦では「狙えばできること」に専念できるようになりますからね!
まとめ
- シミーとは、後ろ歩きで相手の投げ抜けをスカして反撃する行為
- 「投げられそう」と思った瞬間に投げを入力しないと、投げ抜けできない
- これを利用すれば、「投げられそう」と思わせる(投げ間合いに踏み込む)だけで相手に投げを誘う事ができる
- その投げを後ろ歩きで空振りさせ、投げの空振りモーションを打撃技で捉えるのが「シミー」
- シミーは、単純な効率・期待値で考えるとめちゃくちゃ強い
- 投げ抜けを中攻撃や強攻撃で刈り取ることで、大ダメージコンボを叩きこめる
- 基本動作の後ろ歩き(立ちガード)により、相手の無敵技暴れもついでにガードできる
- 相手に直接的なリスクを与えられる可能性も低い
- まさにローリスク・ハイリターンを地で行く、超強い選択肢
- シミーは、ちゃんとやろうとするとかなり難しい
- 投げを意識させるため、投げ間合いの内と外を交互に行き来しないといけない
- 踏み込みが浅いと、相手に投げを意識させられない
- 踏み込みが深すぎると、相手の投げを避けられない
- 投げシケを「見てから」で狩るようにしないと、反撃されるリスクが一気に高まる
- 投げ抜け以外の行動も「見てから」で対処していかないと、相手の逆択に対処しきれない
- 投げを意識させるため、投げ間合いの内と外を交互に行き来しないといけない
- トレモで練習して、少しずつモノにしていこう!
- 最初からできなくても問題ない!現段階での自分の限界を知る事に意味がある!
おわりに
スト6の「シミー」について解説させて頂きました。
シミーは再現性の高い勝ちパターン足り得る「起き攻め」にも大きく関わってくるので、
是非習得したいところです。
また、シミーの練習を勧める理由として
シミーを覚えるだけで格ゲーにおける幅広いテクニックが身につくという点があります。
- 相手の動きを見てから適切な対応ができる反応・集中力
- 相手の多彩な選択肢を並行して意識し、同時に対応するキャパシティ
- 意識するべきものにのみ集中する意識配分
- 自分の投げを届かせて、相手の投げを届かせない間合い管理
- 無駄な被弾を抑えるためのガード入力・フレーム管理
こういった、格闘ゲームにおいて幅広い場面で応用できるテクニック・ノウハウが
「シミー」にはギュッと詰め込まれています。
初心者の方でも、格闘ゲームの幅広い技術・知識を学びたいのであれば
「シミーを覚える」のは一つの選択肢としてアリと言えるでしょう。
ただし、繰り返しますがシミーは決して簡単にできるようにはなりません。
習得するには時間をかけて少しずつモノにしていく必要がありますし、
モノにするまでの過程で目先の勝利を手放す機会も増えるでしょう。
でも、そういった苦痛を乗り越えた先にこそ
苦痛を避けてる人には見えない景色が広がっています。
焦らず、気長に練習していきましょう!
これに関しては、とにかく失敗を恐れず場数を踏むのみです!
トレモで基礎固めをしつつ、対戦でトライ。
この流れを地道に繰り返していきましょう。
ちょっと余談:シミーさえできれば、勝てるようになるのか?
最後に、この記事をここまで読んでくれた方に
併せてお伝えしておきたい事があります。
それは、「シミー」は確かに物凄く強いテクニックだし
勝ちたければ苦労してでも習得する価値はあるんだけれど
「シミー”だけ”」ができても勝てるようにはならないよ、という話です。
何故かというと、
打撃や投げを「重ねる(埋める)」事ができていてこそ、
「シミー」の本領が発揮されるからです。
如何に最強テクニックのシミーであろうとも
対の選択肢(重ね)が備わっていなければ、本来の強さが発揮されません。
「(打撃or投げの)重ね」と「シミー」は相互に補完し合う関係です。
どちらかが欠けていては「ニ択」が成立せず、
相手の防御を狙って崩すことができなくなります。
これがシミー「一択」では勝てるようにはならない理由です。
なんでシミーについて解説する記事で、わざわざこんな話をするのかというと
今まさにこの記事を読んでいる貴方の望みは
「シミーを知る事、シミーを身に着ける事」ではないハズだからです。
「どうしてもシミーがやりたいんです!そのためなら何でもやります!」なんて人や
「シミー超イケてるよね!推せる!」なんて人は、
ぶっちゃけほとんどいないと思います。
シミーという、強いテクニックを身に着けて
「もっと勝てるようになりたい」
コレが貴方の根っこにある願望ですよね???
だから、僕としてもこの記事を読んでくれた貴方には
「勝てるプレイヤー」になってもらいたい。
シミーというテクニック自体を知る事・覚える事も、大事なんだけど
その覚えたテクニックを、どう使えば勝てるか?を考えるのも
同じくらい大事なんです。
貴方にとっての「シミー」はあくまで勝つための手段であり、
シミーを覚える事が目的ではないハズ。
目的と手段を混同してはいけない、という話がしたいのです。
だから、勝ちたければシミーだけ覚えて満足せずに
シミーの対の選択肢である「重ね」も是非習得していきましょう!
詳しくは起き攻めの記事で解説しています。
更に余談(自分語りもあるぞ!気をつけろ!)
技術的な問題で「重ね」ができない・ミスってしまうとか、
そもそも起き攻めする所までいけない、ダウンを奪う事ができないとかは
別に大した問題ではありません。
これから練習して「起き攻め」「重ね」ができるようになればいいだけですからね。
ただし、
- 「重ね」をミスって負けるのが怖い…
- ジャストパリィされちゃうのが嫌で打撃重ねできない…
- バクステとかジャンプで逃げられちゃうから投げ重ねできない…
- 無敵技暴れが怖いから重ねが怖い…
といった精神的な問題で「重ね」ができなくなっているとしたら、
それはちょっとマズいです。
何故なら、精神的な問題で「重ね」ができない状態が行き過ぎると
- (打撃重ねしてないけど)ジャストパリィしに来てくれないかな…
- (投げ重ねしてないけど)うっかり投げ抜けしてくれないかな…
- (重ねる事自体してないけど)相手から勝手に無敵技ぶっぱしてくれないかな…
という「お願い」の下、
シミーに”逃げる”
ようになってしまう恐れがあるからです。
繰り返しますが、
シミーはローリスク・ハイリターンな非常に強いテクニックです。
だからこそ、シミーには「リスクを取らずにリターンだけを得たい」という
逃げ腰な姿勢を助長しやすい側面があると筆者は考えています。
ええ????突然何を言い出すの????と思ったかもしれませんが、
少なくとも僕は大マジメに話しています。
というのも、結局のところ
他人に勝つことができる人・目の前の対戦相手を打ち負かすことができる人というのは
リスクを恐れず、勝負に出る覚悟がある人なんですよ。
シミーのような強いテクニックに頼り切って、
- リスクを取れない
- 勝負に出る事ができない
- 目の前の対戦相手との、読み合いや駆け引きに参加できない
という状態はテクニックを活用しているのではなく、
テクニックに逃げているだけです。
それでは、例えどんなに知識や技術があっても勝つ事はできないのです。
もちろん、強い行動を擦る・期待値の高い行動を擦るというのは
格闘ゲームの攻略としては王道です。
それが転じて、
リスクの小さい(強い)行動だけをやり続けるのが最善手だと考えるのは
ごく自然な発想と言えるでしょう。
ただ、リスクを避ける事に囚われすぎてしまうと
- ミスるかもしれない
- 暴れられるかもしれない
- 「重ね」を練習しても、上手くできないかもしれない
- 運悪く相手との読み合いが噛み合わないかもしれない
- 対戦すると負けるかもしれない
- 対戦した相手に嫌われてしまうかもしれない
といった事まで「リスク」と認識し、避けるようになってしまいかねない。
そうなれば、シミーのようなテクニックを頑張って習得する意味がまるで無くなるという
致命的なリスクを背負う事になるのだと、僕は言いたい。
まさに、リスクを負わない事がリスクというヤツですね…。
実際のとこ、貴方には勝てるプレイヤーになれる才能が絶対にあります。
こんな長ったらしい記事を
ここまで読み進められるくらいスト6が好きで、勉強熱心なのですから。
だからこそ、
何度やっても「重ね」ができない
逆択を喰らう
読み負ける
狙った事が失敗する
対戦に負ける
こんな事を、「リスク」だと思わないでほしい。
タフに、図太くやっていきましょう!
そうしてリスクを恐れない姿勢を持つ事こそが、
格闘ゲームにおける真の「必勝法」です!!!!
そんな訳で、今回はここまで。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!