スト6

【スト6】JPが悪役として完成されている理由を語ります

こんにちは、格ゲーブロガーの拓です。

今回は、いつものゲーム攻略の記事とは少し趣向を変えて、

ただただ、筆者が格闘ゲームに登場するキャラクターについて語る回となります。

格闘ゲームには数多くのキャラクターが登場し、

そしてキャラクター毎に性格・好き嫌い・バックボーン・戦う理由など

様々な設定が細かく設定されています。

そのようなキャラクター性に魅力を感じるキャラを対戦で使うーーーー

いわゆる「キャラ愛」をキャラ選びの原則としているプレイヤーも決して珍しくありません。

そうした様々なキャラクターの魅力もまた、格闘ゲームの面白さを引き立てる理由の一つです。

さて、それでは本題に入ります。

今回僕が語らせて頂くキャラクターですが、記事のタイトルにもある通り、

ストリートファイター6に登場する「JP」になります。

筆者は、このJPというキャラクター自体がかなり好きです。

見た目も設定も性格も、全てがカッコイイ。

中でも、素晴らしいと思っているのが

JPの「悪役」としての完成度の高さです。

この記事を読んで

  • JPは何故「悪」なのか
  • JPは何故悪役としての完成度が高いのか
  • 他の悪役キャラ(ベガ等)にはないJPの魅力とは何なのか

というものを、是非知って頂きたいです。

それでは、どうぞ。

…じゃなかった。

改めまして、

ラヴーシュカ発動演出

楽しんでください👉

注意事項

この記事では、若干ながらワールドツアーモードにおけるストーリーのネタバレを含みます。

今現在ワールドツアーモードをプレイしている、もしくはこれからプレイする予定がある人は

そちらの点をご理解の上でお読み進めください。

何故JPは「悪」なのか?

  • れっきとした犯罪者である
  • 悪の組織・シャドルーの関係者である
  • マネーロンダリングのため、ナイシャールの催事などを使い捨てにしている
  • ケンを謀略にハメて失脚させている
  • (恐らく)キンバリーの叔父の死に関与している
  • ベガの記憶を奪った張本人である?(個人的な考察)
  • その他、良からぬことを企ているのは明らかである

彼には「悪人」と呼ぶに相応しい設定は数多いです。

2023年度は、競技シーンにおいても誰もが認める最上位キャラの1角として

ヒール(悪役)」のキャラクターとして多大な存在感を示していましたね。

何なら、大幅に弱体化された現行verのJPですら、

(性能的に)「悪役」側のキャラだと思える人も少なくない事かと思います。

豊富な遠距離攻撃、杖を用いたリーチの長い通常技、設置型飛び道具、高いコンボ火力、当身技、ガード困難な連係など、

JPには対戦していて思わずイライラしてしまうような要素が豊富に詰め込まれていますから。

しかし、それだけには留まらない設定、

悪役として完成されている」という評価に値する理由が、

JPにはあると、筆者は考えています。

いわば彼は、

格ゲープレイヤーにとっての敵

でもあるのです。

どういうことなのか、解説していきます。

「強さに意味はない」と主張するJP

本作のワールドツアーモードのシナリオをクリア済の人、

もしくはJPの勝利メッセージをある程度確認した人ならば、

概ね知っている事かと思いますが

JPは非常にドライで、冷めた価値観を持つ人物です。

それを象徴するのが

格闘とは不合理なもの

強さには、意味がない

とする、彼のセリフです。

JPのキャラクターガイド 基本編①より
JPスタイル免許皆伝の時に見られる演出より

特にこの「強さには意味がない」という彼の主張は、

多くの格闘家にとって存在意義を否定するも同然のものです。

それこそ、新人格闘家であるワールドツアーモードの主人公(アバターキャラ)

様々な格闘家に出会うための旅をする理由は

強さってなんだろう?」という自問の答えを見つけるためです。

ですがJPはその自問を、

ひいては彼/彼女の生き様そのものを、丸ごと否定してくる訳です。

まさに、ワールドツアーモードのラスボスに相応しいですね。

自身を倒した主人公に対してJPが突きつけた言葉も印象深いものでした。
「おめでとう。あなたは私を倒した。…それで?あなたにとってこれは何です?」というJPの問いに、主人公は答えを出せなかった…という何とも後味の悪い終わり方をします。

「ゲームが上手い事に意味はない」を突き付けてくる、現実の大人達

ここでちょっと現実の話に移ります。

格闘ゲームに熱中している人や、向上心を持って上手くなるための努力をしている人に対して

ゲーム上手くなって何になんの?

そこまで必死にやるものじゃなくね?

たかがゲームじゃん

みたいな言葉を投げかける人は、

恐らくこのブログを読んでくれている人にも見覚えがあるか、

もしくは実際に自分に向けて言われた経験があると思います。

その人は、ゲームに興味がないクラスメイトや兄弟姉妹だったりするかもしれないし、

場合によっては、自分の親や担任の教師といった、身近な大人だったりするかもしれませんね。

実際は、そんなこと皆分かってて格闘ゲーム楽しんでいる訳です。

格闘ゲームを楽しんでいる人、熱中している人に対して

わざわざこんな事を言ってくる人、

大好きなゲームを止めさせようと仕向けてくる人というのは

ゲーマーからすれば紛うことなくですし、

邪悪な存在と言えるでしょう。

大人たちの言い分も、間違ってはいない

ただ、これは残念なことに

部分的に事実」と言わざるを得ない所もあります。

ゲームをしたからといって

生産的な何かを直接的に生むことはありません。

ゲームはプレイヤーを熱中させるよう作り込まれたコンテンツ故に、

ゲームに夢中になりすぎて、本来ヒトが尊厳を保って生きていくために

やるべき事をも疎かにしてしまう、といったケースは沢山あります。

酷いときはゲームに夢中になりすぎて身体の異常に気付かずーーーー

そのまま命を落としたという事件も

やや極端な例とはいえ、現実にあるのです。

「ゲームで強くてなんの意味があるの?」

「プロゲーマーとか、ただのゲーム中毒患者でしょ?」

「このままじゃキミ、ゲーム廃人になるよ?」

「もっと有意義なことをやりなさい」

こういった言葉は、

格ゲープレイヤー、特に上を目指してやり込んでいるプレイヤーにとって

永遠に向き合わなければならない、自問し続ける言葉なのです。

ウメハラ FIGHTING GAMERS! 3巻収録 stage18より

プロゲーマーのウメハラさんが自伝を基にした漫画でも、こういった台詞がしばしば登場します。恐らく彼は、ゲームに無理解な大人たちの目と誰より戦って来ていることでしょう。

JPは「ゲームに理解のない大人」を具現化したキャラクター

ここまでの話をまとめると、JPは

強さとは何なのか?を知ろうとしている若者(アバターキャラ)に、

強さに意味はない”と言ってくる大人

ということになります。

これをメタ的な視点で捉えた時、JPのことが

格闘ゲームを真剣にプレイする人に、

ゲーム上手くなって何になんの?”と言ってくる大人

と、ダブって見えてきませんか?

つまり、そういうこと。

JPは、「ゲームに理解のない大人」を具現化したキャラクターなのです。

だからこそ、

JPはゲーム世界の外にいるプレイヤーにとっても敵である、

悪役に相応しいキャラクター

というのが筆者の考察という訳です。

この言葉の末尾に「残念ですがね」が添えられるあたり、JPも若かりし頃は強さの意味を探していた時期があったのではないか…とも考察できます。
現実の格闘ゲーマーに例えると「昔は世界大会優勝を目指して頑張ってたけど、現実を知って競技シーンから引退した大人」みたいな感じではないかと、そう思えてなりません。

余談:「強さに意味はない」とする男・JP vs 強さを求めて全てを捨てた男・豪鬼

そういったJPと他のキャラクターとのやり取りの中で

僕が凄く好きなものがあるので、併せて紹介します。

それが、豪鬼とJPのそれぞれの勝利メッセージです。

豪鬼のキャラクター設定の話に関しては、もはや説明不要かもしれませんが、一応説明しておくと

禁断の力(殺意の波動)に手を染めてまで強さを求める、修羅道を歩む格闘家

というのが豪鬼です。

豪鬼の望みは「天」のみ。早い話が「どこまでも強くなりたい」だけという、ある意味では非常に純粋で真っ直ぐな男です。

この豪鬼を現実世界の格ゲープレイヤーに例えるなら、

仕事も貯金も友人関係も全部捨てて、格闘ゲームにフルベッドする男

みたいなもんだと思って下さい。

ではここで、豪鬼の目的とJPの思想を並べてみます

  • 全てを捨てて強さを求めるのが豪鬼
  • 「強さに意味はない」と主張するのがJP

ということになります。

完全に相反する目的・思想を持つ、絶対に分かり合えなさそうな二人ですね。

そんなJPvs豪鬼のそれぞれの勝利メッセージが、こちらになります。

JP「天、ですか?お望みになるのは勝手ですが

  大したものではないと思いますよ。

豪鬼「力を玩弄1するか、下衆!

ただ、これだとお互いが何を言ってるのかちょっと分かりにくいかもしれないので、

これを現実の格闘ゲーマーの会話に変換してみましょう。

JP「世界大会優勝したい?(笑)

  たかがゲームだろ(笑)」

豪鬼「は??????」

こうなります。

なんだか豪鬼が可愛く見えてきませんか?

まとめ

いかがだったでしょうか。

JPは、

「悪の組織シャドルーの関係者」「ケンをハメて失脚させた元凶」「キンバリーの叔父の仇(?)」「ワールドツアー主人公の旅の目的そのものを否定してくる存在」

であると同時に、

「強さとは何か」を知りたい主人公に、「強さに意味はない」と主張するラスボス

であり、

格闘ゲームに熱中するプレイヤーに、「たかがゲームだろ」と言ってくるゲームに理解のない大人の具現化

であり、

それは即ち、格闘ゲームプレイヤーの敵でもある。

だからこそ

格闘ゲームに登場するヴィランとして、

素晴らしく完成されたキャラクターなのです。

様々な悪事に手を染め世界征服を企むベガ、

ベガの下で各々の私利私欲を満たそうとするその他シャドルー所属のキャラクター達、

それはそれで「悪」の美学に則った、魅力的なキャラクターである事は間違いないんでしょうが、

このような、メタ的なニュアンスの込められた「悪役」を取り入れてきたのは

少なくともストリートファイターにおいては初の試みではないでしょうか?

カプコンのキャラ作りのセンスが光ってるなと思わされます。

という訳で皆さん。

良かったら、JPのことをもっと愛してあげてください!!!!

まあ対戦しててムカつくのはしょうがないとは思うけどネ

それでは、今回はここまで。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

  1. がんろう。遊び道具としてもてあそぶこと。見下してなぶりものにすること。 ↩︎
ABOUT ME
格ゲーブロガー拓
1989年生まれ。2009年頃から本格的に格闘ゲームをプレイするように。現在はストリートファイター6を主にプレイ。 過去に注力した格闘or対戦ゲームと使用キャラクターはストリートファイター4(リュウ)、ギルティギアイグザード(ラムレザル)、大乱闘スマッシュブラザーズSP(ジョーカー、スティーブ)など。 ゲーム以外の趣味は読書・ジム通い等。
取り扱うゲーム
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